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酒造り終盤に。

2019.04.09 23:42|naoko@kisoji
20190409233919c4f.jpeg


杜氏さん不在につき、
造りの最終盤にして初の水汲み当番。

翌日の仕込みに使う汲水を
前夜もしくは早朝に汲んで冷水機で冷やします。

それほど時間のかかる作業ではないけれど、
麹の仕事も含めて10月からの醸造期中
ほぼ毎日ですから、やっぱり大変です。

醸造期も長くなっていますし、
疲れを溜め込まない為にも
出来るだけ夜はしっかり寝られる様に、
夜中の仕事を減らしてきましたが、
必要なことはなかなか省けません。

夜も朝も眠気に勝てないダメ社長ですから、
夜や早朝の仕事はお手伝いするものの、
多くは杜氏さん任せ。

そんな私が出来ることはと言えば、
麹の品温をモニターできる設備や
冷水機の性能を上げることで
省力化を図ることでしょうか。

全てが連動している酒造りですから、
省力化を図ったことで出来た余裕や、
今まで見えなかった連続データの取得や、
麹室への入室回数の削減なども、
全てのことが酒質向上に繋がります。

それだけでなく、社員の労働環境改善や
技術力向上に繋がっていきますね。

来期に向けて何をすべきか、何が必要か、
造りの終盤にはそんなことで頭がいっぱいです。


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働き方改革!その2

2019.02.12 13:55|naoko@kisoji
その1の記事はこちらから

というわけで、有給休暇の取得について。

以前よりは、取得するようになってきたものの、
一人欠けることで日々の仕事が回らなかったり、
誰かに迷惑がかかってしまうって思ったり、
「休みがあっても何していいかわかりません」なんて声も。

会社から休むなプレッシャーを掛けているわけではないけれど、
みんな真面目に働いてくれて、社長としては正直有り難いことです。

ですが、今後は5日の有給休暇が義務化されます。
5日くらいは取得している人もいれば、
5日には満たない人もいます。

さてどうしたもんか。
強制的に全社休業日を設けるのか、
個別にリフレッシュ休暇の様に与えていくのか、
お取引先との兼ね合いもありますから、
慎重に考えなくてはなりません。

幸い、当社では色んなことに直面した時、
結果、それを乗り越えてみると、
「な~んだ、出来たじゃん!」っていう雰囲気があるんですね。

私自身も従前のやり方にこだわる必要はないよ、
と常々社員に伝えるので、
やってみて効率がよかったり、うまく出来たりすることは、
比較的スピーディに通常業務に取り込まれていきます。

ってことは、有給休暇5日の取得もできるはず。
なんとなく、全社休業日の設定が当社には向いているかな、
とも現状では感じています。

私や杜氏も一緒に休めますしね。


で、ここまで書いてきて気づきました。

しっかり休みを取得できる会社になるためには、
「商品力を上げ、求められること」が重要なのです。

お客様から求められる商品を造っていくことで、
売り手が買い手に対して弱者にならない。
自社のペースをできるだけ維持して商売する。

なかなか難しいことですが、
何を考えても、結局の所そこに行き着くわけです。

すべてはシンプルですね。
「造り手の誇り」を持つこと。
これだけは絶対に踏み外さずに、
丁寧な仕事をしていきたいと思います。

======================================
【企業理念】

脈々と。「造り手の誇り」を持ち、
木曽路からつながる未来を醸し続ける。

株式会社湯川酒造店は、
・歴史・気候風土に感謝し、活力をつなぎます。
・時流をよみ、妥協しない酒を醸し続けます。
・人・社会・地域がつながる時間を演出します。

働き方改革!その1

2019.02.11 13:55|naoko@kisoji
2019年4月から改正労働法が施行されますね。
まだ不勉強ではありますが、
当社にとって、ダイレクトに影響があるのは、

・時間外労働の上限規制
・有給休暇の取得義務
・同一労働同一賃金

といったところでしょうか。

最初、これらのことを聞いた時は、
「人手不足なのに更に社員を休ませたら会社力が落ちる」
「社会全体でも、弱者である中小企業にしわ寄せが来る」
「社員が休んだ分の労働力補填は、経営者に降りかかる」
「当社はそこそこ休めているし、いいんじゃない?」
っていうようなことを考えました。

私が入社した頃は、
年間所定休日が確か95日程度で、
繁忙期の11~12月は土曜日出勤は当たり前、
年間通して三連休は絶対に取らない、
時間外の計算も大雑把、
正社員でも男女の給与格差が大きい、
季節雇用の蔵人が半年で他の社員の1年分の給料を取る、

そんな状況が当たり前でしたから、
いくら社員にやる気出せ、効率高めろ、
残業するな、しっかり働け、って言ったところで、
質のいい労働として返ってくるわけがなかったのです。

たぶん、社員たち自身が、
会社が利益を出せば自分たちに還元されるということを、
理解できずにいたんだと思います。

以前から時折書くように、
私が社長になって真っ先に取り組んだのが、
労働環境の整備です。

徐々に年間所定休日を増やし、
それに伴い、極力祝日は休んで三連休、
定時に帰宅できるようにお尻を叩く代わりに、
当たり前だけど残業代を1分単位できっちり支払う。
そんなようなことに取り組んできて、
今では、年間所定休日が104日まで増えました。

また、それに伴い業務の体制を変えてきたことで、
効率化が図られて、瓶詰め業務も出荷業務も酒造業務も、
以前に比べれば圧倒的に時間短縮が図られていると思います。

残業時間も大幅に減ってきたと思いますし、
残業なしでも所得が維持されるように、
少しずつですが昇給も行ってきています。

ただ、酒造りは週休2日では回りませんから、
蔵人は酒造期の休日も少ないし時間外労働も多くなります。
その分、夏にたくさん休んでもらう方法で、
休日を確保するようにしています。

しかし、問題なのが有給休暇取得率。
ここに関しては、当社は結構低い方なのです。


というわけで、長くなってしまいましたので、
その2につづく。


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こうじパワー!

2019.01.22 00:39|naoko@kisoji

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さて、これらは何の写真でしょう?
リゾットと何かのスープとか??

いいえ、違います。

お米の様なものは、糖化終了後の米こうじ。
液体は、糖化終了後のこうじ汁。

簡単に言えば、
甘酒の固体の部分と液体の部分を分けた状態。

酵母の自社培養を行うようになり、
培地として使うために、
こうじ汁を調整するようになったのです。

最近は、「こうじ水」なんぞが流行っているようですが、
私の中では、だったら甘酒でいいじゃん!
って思ってるフシがありますけどね。

だって、「こうじ水」から摂取したいのって、
米こうじが持つ酵素ってことですよね?

であれば、糖化させた甘酒だって、
酵素は十分に摂取できるはずだし、
酵素作用によって得られるアミノ酸やら、
米こうじから抽出されるビタミンやらも含めて
摂取できるんだから、
やっぱり甘酒でいいじゃん!

仮に、つぶつぶが嫌なら、
培地用の麹汁みたいに、
固体部分を分けちゃえばいいってだけで。

あ、そっか。糖分が不要なのか??

まぁ、いいや。
どちらにしても、市販で殺菌済みのものは、
甘酒だろうがこうじ水だろうが、
酵素は失活しちゃってるでしょうから、
酵素を摂取したいとなれば、
自家製がイチバンかもしれませんね。

というわけで、
何が書きたかったかというと。

こうじ汁を作るために使用した、
この写真の様な米こうじの抜け殻。

十分に仕事を果たしていますから、
あとは廃棄されるだけの存在なんだけど、
捨てるとなれば、そうはいっても元ははお米だし、
ただ捨てるのはどうしても出来ない。

かと言ってビタミンもエキス分もみんな、
こうじ汁の方に抽出されちゃってるから、
食べてみたところでスカスカで美味しくない。

料理に使うったって、
量もそこそこあるから限度ってもんがあるし、
上記同様スカスカで美味しくない。

で、当社きっての美容家の女性社員に、
「ねぇ、これ顔に塗ってみない?」
って渡してみたというわけです。

私は日頃から製麹の仕事をしていますから、
米こうじの美肌効果は常々体感しています。

手荒れはしますしガサガサではありますが、
パックリ割れとかひどいのはほとんどなくて、
たぶん、麹効果で手荒れが抑制されていると思うんです。

でも、こうじ汁は麹そのものよりも更にすごい!!
手に塗ると、途端にすべすべになります。
保湿効果はちょっと弱い気がするので、
こうじ汁をしっかり塗り込んで、
しばらく何らかの形で保湿をしてあげると、
すべすべサラサラのいい感じになるのです。

米こうじの抜け殻だって、
水分を絞りきってしまうわけではないので、
同じ様に効果が期待できるってわけです。

美容家女性社員も、
お風呂で全身に塗り込んでるって、
喜んで使ってくれています。

最後の最後まで使い切って、
無駄に捨てることなく活かせてよかった。


今更ながら、
そっか、米こうじの美肌効果がすごいんだってこと、
再認識&納得しているのでした。

酒造りって、色んな角度で幸せな仕事だなぁ!!


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酒蔵の危険。

2018.12.24 00:45|naoko@kisoji
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酸素濃度6.9%!?

酒蔵には様々な危険が存在します。

・機械設備への巻き込まれ
・ホース類での躓き、転倒
・梯子や足場からの転落
・高温高圧蒸気の取扱い
・古くから使用している電気設備
そして、
・発酵タンク内の酸素欠乏

などなど。

これらは日々の作業の中で、注意を怠ることで、
大きな怪我や事故につながる危険ばかりです。


先日、突然の労働基準監督署の調査が入り、
(本当に突然でした)
労務関係の帳簿や労働環境の調査を行っていきました。

その際に指摘されたのが、
酸素濃度測定器が設置されていなかったこと。
過去には、測定器は持っていたのですが、
数年前に壊れた使えないことを理由に、
処分してしまっていたのです。

なぜ、酒蔵に酸素濃度測定器が必要なのか。

それは、
酵母がアルコール発酵をする際、
糖分を分解してエタノールと二酸化炭素を生成しますから、
発酵中の醪タンク内は、二酸化炭素で満たされているわけです。

しかも二酸化炭素は空気よりも重いですから、
タンク内で生成され続ける二酸化炭素は、
タンクの外へ逃げるすべがないわけですね。

当然、上槽により空になったタンク内にも、
まだまだ多くの二酸化炭素が残っています。

上槽後の醪タンク洗浄をする際、
多量の水を流して二酸化炭素を逃してからタンク内に入るということは、
酒蔵に入って、真っ先に教わることのひとつなのです。

というわけで、洗浄のためにタンク内に入る前に、
タンク内部の酸素濃度を測定する必要があるということなのです。


で、せっかく酸素濃度測定器を新調しましたから、
「発酵中の醪タンクに落ちたら即死だよ」
と、注意喚起をしているにも関わらず、
実際の醪タンク内部はどの程度の酸素濃度なんだろう、
ということで、図ってみたのがこの写真なわけですね。

説明が長くなりましたが、
要するに、発酵中の醪タンク内部の酸素濃度は6%程度。
もしかしたらもっと低かったかもしれません。
(警報音がうるさくて、測定をやめてしまったので。)

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この図は酸素濃度測定器のメーカーHPより引用しましたが、
確かに、6%で「呼吸停止、けいれん、死亡」と書かれています。

「発酵中の醪タンクに落ちたら即死だよ」
って、大袈裟な表現ではなかったんですね。

数値で示されることで、
私たち作業者にとっては、
日々の作業環境が危険なのだということを、
改めて再認識するいい機会となりました。

そして、
当社が酒蔵見学を受け入れていない理由は、
衛生面を考慮していることだけでなく、
こうした危険が近くに存在するからなのです。

事故や怪我は、
意識ひとつで回避できることがほとんどですね。

改めて、自社の作業環境を見回してみて、
危険度合いの割り出しと、
改善方法の検討をしてみたいと思います。


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