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シリーズ『吟醸』その(2)

2008.03.31 21:10|naoko@kisoji
えっと、30日(日)は蔵の仕事もお休み。
と言うわけで、少し遠いですが上田の沓掛酒造へ行ってまいりました。

なぜかと言うと、沓掛酒造の山崎杜氏はうちの杜氏と兄弟弟子で、
小谷村の自宅もうちの杜氏のすぐお隣で、
また、沓掛酒造のお頭さんはうちのお頭のお兄さんで…なんていうご縁で、
かわいがっていただいているので、図々しくご教授いただこうと。

うちの杜氏は『純米造りと吟醸造りでは土俵が違う』と言うポリシーで、
吟醸に対してはそれ程執着していないと言うか、
昔から吟醸の世界にいる杜氏さん方々と比べれば、
やはり吟醸は苦手分野であると言うか…。

とにかく、前回にも書いたように、うちの蔵は
新酒鑑評会に出品すれば劣等生になってしまうのです。


でもでも、本当に今回は悔しかった。
うちの蔵ながらに、かなり真剣に取り組んだ吟醸でしたが、
『毎年同じ蔵癖が出て、やっぱりダメですね。』なんて、
年々の進歩も感じられないような評価をいただいてしまい…。

============================================================
ただ、今年の吟醸造りを終えて、
私の中では何か物足りなさを感じていたのです。
(蔵中がすっごく真剣に取り組んでいたのに…。)

洗米から蒸米の晒し、製麹の方法、仕込みのタイミング、
様々な行程に於いて、今回の方法がうちの蔵にとって本当に最善の策であったのか。
============================================================

具体的に言えば、まずは酵母の選択。
そして、吸水(洗米)の程度、蒸米の質。
麹を室から出すタイミング。
更には、原点回帰で『清潔さ』、などなどなどなど…。

【酵母】
精査している蔵ではもうすでに去年までの長野酵母は使っていない。
お金をかけてでもより良い酵母を使っている。
→今年使った酵母が本当によかったのか…?

【吸水】
今季の米はよく水を吸った。
→もっともっと洗米時間をシビアに考えなくてはならなかったのでは…?

【洗米・浸漬】
洗米・浸漬をひとつの半切れで行っている。
→洗米した水は取り替えてから浸漬しなくてはならなかったのでは…?
→もとより、もっとしっかり洗米しなくてはならなかったのでは…?

【麹】
吟醸用の麹にしては、破精(はぜ)込み(麹菌糸の食い込み)が良かった。
→もっと乾燥させてもよいのでは…?
→酵素力価のバランスが悪かったのでは…?
→そもそもの製麹方法を改善すべきなのでは…?

【清潔さ】
もちろん手洗い励行ではあるが、不十分さを感じる。
→壁や床、器具等の消毒はどの程度が適当なのか…?
→今の心掛けでは不十分なのか…?

============================================================

それぞれ、私の中では初めて気がついたことばかりです。
今年の吟醸造りを見ていて疑問に感じていたことを、
昨日山崎杜氏に質問としてぶつけてみたのです。
そうしたら、やはり私が疑問に感じていたことがそれなりに指摘されたのです。

ってことは、それらを改善すればよりよい吟醸造りを実現できるのかも。
もちろん、山崎杜氏の技術がうちの蔵でも正しいとは限りません。
環境が違えば、水も違うし、技術者自身が違うので。
(だからこそ、様々な地酒があって然るべきなのですが。)

でもでも、今うちの蔵で吟醸として結果が出せていないのであれば、
盗み取ってでも実行してみるべきことは山ほどあるのだと思います。


今季、去年までの考えとほぼ180度変わったことがいくつかあります。

◇長野県/全国新酒鑑評会に出品する限りは、その土俵で勝負できる酒を出すべきである。
 (去年まではとりあえず出品していた感がある。)
 (鑑評会の評価方法にそぐわないので、受賞できなくても仕方ないだろうと考えていた。)

◇鑑評会の評価方法には多少の疑問は残るが、
 味にふくらみがあり且つ無駄のない酒が評価されている。
 (ただ綺麗であれば評価されると勘違いしていた。)

◇いい吟醸が造れる技術者はいい純米も造れる。
 (純米造りと吟醸造りは正反対だと思っていた。)


来季の造りでは徹底的に改善点を洗い出し、
これまでのやり方が良いのであれば、それをもっと追求し、
少しでもいい吟醸造りに近づければと思っています。
で、うまくいけば純米吟醸で出品できるまでに研鑽したいと思います。
私ひとりの力ではまだまだ遠い夢のような話ですが、
杜氏や頭と同じ気持ちを共有することが出来そうなのです。


アル添すれば、酸味や雑味も薄まるので、
多少味が多くなったとしてもまだアル添で救済できる可能性があります。

でも純米酒と言うのは、醪の状態での真っ向勝負になります。
醪から上槽後まで、何一つ手を加えることが出来ないのです。
と言うことは、本当に醪で最善の状態でなければならないということなのです。

ってことは、やっぱり米を溶かしすぎず、
雑味を出さない酒を目指したいものなのです。
でも、それって薄っぺらい酒と紙一重なんですよね。
そこが、すっごく難しいところなんだと思います。

キレのある酒を目指せば、味気のない酒になってしまい。
ふくらみのある味わいを目指せば、味が多すぎてしまい。
香りを抑えようと思えば、なくなりすぎてしまい。
酸味と甘味のバランスを取ろうとすれば、どちらかが浮いてしまい。

だけれども、うちの蔵としての個性は失いたくない。
在り来たりの酒は造りたくない。


ま、とにかく一筋縄ではいかないってことですね。酒造り。
今季が終わっても、私なんてまだまだ3回しか酒造りをしていません。
3回ですよ。
こんなに色んなことを感じ取れたと思っていても、たった3回。
未熟者もいいところです。

でも、今回山崎杜氏の言葉に、自信に溢れる目に感動した。
そして、背筋がピンと張った。


『自分が本当に求めている酒を自分で造れてこそ、本当の技術者である。』


わたし、いつになったら本当の技術者になれるんだろう。
まだまだ高望みではありますが、
『目標は大きく。失敗も大きく。その分前進も大きく。』
さぁ、いってみよぉ!!!



◇◇◇出る杭は打たれるが、出すぎた杭は打たれない◇◇◇
◇◇◇帰りに立ち寄った酒販店さんの心強い言葉です◇◇◇
◇◇◇今だからできること、今しか出来ないこと◇◇◇
◇◇◇失敗は多いだろうけど、失敗は成功以上に自分を成長させてくれると思う◇◇◇
◇◇◇(((((人気blogランキング)))))参加中です!!! ◇◇◇

シリーズ『吟醸』その(2)予告

2008.03.30 23:51|naoko@kisoji
いっぱい書きたいことがあるのですが、
本日は諸事情により、blog更新をあきらめました。
明日、じっくり時間をかけて書きたいと思います。

シリーズ『吟醸』その(1)

2008.03.28 19:21|naoko@kisoji
3月27日、長野県新酒鑑評会の一般公開が長野で行われ、
頭たちと一緒に行ってきました。

毎年、各蔵が自慢の吟醸酒を出品し、
一般公開の数日前に行われる審査会でその評価が下ります。

今年は(も?)、下から数えた方が断然早い順位で、
相変わらずの劣等生ぶりを発揮してきました(T_T)

なんて書くと、うちの酒造りが全くダメに聞こえてしまうかもですが、
必ずしもそうではないんです。
ただ、吟醸の世界として考えると、
うちの蔵としては苦手分野になってしまうのでしょう。


長野県新酒鑑評会は、全国新酒鑑評会の直前に毎年行われます。
ここで県の先生方に自分たちの酒を評価していただき、
その年の酒の出来に対する評価だけでなく、
どの酒を全国の出品用に選ぶかなども、アドバイスいただくのです。

やはり、出品吟醸ともなれば、各蔵すっごく力を入れており、
ひとつひとつの行程に対して、すっごく気を遣って、
より良い酒を醸せるよう、努力をしています。


具体的に、長野県でも全国でもそうですが、
鑑評会の評価方法というのは減点方式となります。

香りが少なすぎたり、あってはならない味や香りがあったりすると、
その段階で減点されてしまいます。

鑑評会で評価される吟醸というのは、
香り豊かで、より雑味がなく、
しかしふくよかな味わいを持つ酒
です。


ひと昔前までの出品吟醸というのは、
とにかく味があるのかないのかわからないような、
水に近いような綺麗な酒が評価されていたようでしたが、
(実は呑むにはおいしくないような、物足りないような)
近年では、味吟醸的なふくよかな酒が評価されるようになってきました。

それは、単に味が多いのではなく、
ふんわりとふくらみのある優しいお酒が評価されているのです。
(今年評価の高かった酒をみてそう感じました。)

そんな酒を醸す為には、より低精白の米を使い、
米の吸水も出来るだけ減らし、醪の品温経過もゆるやかで、
最高品温も低く、しぼるときも圧力のかからない袋しぼりで行い、
斗瓶10本や20本と取り分け、全て手作業で滓引きを行い、
…と、とにかく手間と言う手間をかけて造るのです。

使う道具ひとつにしたって、
洗いに洗いを重ねて、とにかく慎重に造るのです。


だからこそ、『あ、ちょっと失敗したかな。』ってくらいのことが、
できあがった酒では『こんなにも大きな影響が出ちゃったよ。』って結果になり兼ねません。


で、私は今季の酒造りで3年目になるのですが、
1-2年目は出品酒という部類の酒質があまり好きではなかったのです。

ちょっと裏事情を書くとすれば、
昔よくあった『香り付け』『除酸』といった、
出来上がった酒に対して様々な救済措置を施してでも
金賞を取りたいと思う蔵が多かったからなのです。

だって、すっごく丁寧に造ったからには、
しぼった酒そのもので素直に真っ向勝負したいじゃないですか。

で、うちの出品吟醸はいつも酸が多かったり、
味が多かったり、しかも香りは少なくて、
どうにか救済したら何とかなるんじゃないか…。
なんて外の人に言われたりするから、
そんな事をしてまで全国で金賞なり入賞なりの評価は欲しくないなって。

だから、うちの今の純米酒とかを呑んでいただけばわかるかもですが、
自然にでる酸味は大切に、味のある酒を主力としている為、
出品吟醸の世界には縁遠くても仕方ないな…なんて。

まぁ、うちの杜氏からの影響もかなりあるのですが。

良くわかっていなかったからこそ、
そんな事を考え、一昨年・昨年とあまりいい評価をいただけなくても、
実はそれ程がっかりしていなかったのです。

『うちはうちの酒なんだからいいじゃん。』てな感じで。

でも、今年県の一般公開に行ってみてびっくり!!!

味はふくよかなんだけど、すっごく綺麗で無駄がなく、
かと言って呑んでもおいしいだろうな~って吟醸がたくさんあり、
そんなお酒はやはりいい評価を受けていたのです。

しかも、そんないい酒を醸している杜氏さんや蔵人さんのお話を伺うと、
『え、そんなことまで!?』って思うようなことまで、
すっごく気を遣って造っているのが解るのです。

やっぱり、そこまでやっている蔵の吟醸とうちの吟醸では雲泥の差を感じました。
当然ですよね。
うちだって、うちなりの気の遣い方をして造ってはいますが、
純米酒と出品吟醸では目指す方向が180度反対にあり、
(少なくとも今まではそう思っていました。)
その拮抗状態をどう打破できるかってすごく難しいことだと思います。

ただ、最近では純米吟醸で出品してくる蔵も増え、
うまく造れば純米吟醸でも、すっごくいい吟醸になるんですよね。

ていうか、今季の造りに向けて、
私なりに改善したかったことと言うのは、
たとえ純米酒であっても、
吟醸の世界での考え方と大きく変わらないってことに気づきました。

米を溶かしすぎない、温度経過をゆったりと、
最高品温は低めに推移、醪をしっかり熟成させてから上槽…。

いい吟醸を造る為のことを純米造りに発展させれば、
私の思う純米酒にたどり着けるのではないかって感じたのです。


なんて、色々書いてみましたが…。
詳細はシリーズ『吟醸』その?へつづく。



◇◇◇3年目の造りって大切なタイミングなのかもな◇◇◇
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消えた(-_-;)

2008.03.25 11:39|naoko@kisoji
あと2-3行書いて、よし投稿だっってタイミングで、全消去
大ショックです。。。

と言うわけで、blogの文章はその時のインスピレーションで書いているので、
同じことは…書けません…デス。


さて、気を取り直して。。。

22日、23日と渋谷のNHK全国フェスティバルへ行ってきました。
二日間とも晴天ですっかり春の陽気。たくさんの人が来てくださいました。



今回は、うちの蔵元としてのブースではなく、
長野県原産地呼称認定酒
のPR要員としての参加です。

長野県原産地呼称制度と言うのは2003年4月から始まった制度で、
『長野県産として、自信と責任を持ってPRできるブランド』
の確立を目的として、日本酒・ワイン・焼酎・シードル・米の5品目について、
厳正な審査認定が行われているものです。

日本酒としての基準は、
長野県産の原料米と長野県内で採水した水を使い、
醸造から瓶詰までを長野県内で行った純米酒に限り出品資格を得られます。

また、出品に関しては全て市販酒規格であり、
全国新酒鑑評会の様に、受賞酒を消費者の方が滅多に味わえないものではなく、
認定酒はどこでも買えるものでなくては意味がないようです。

まぁ、とにかく今回はそのPRも兼ねてでしたので、
うちのお酒だけではなく、何種類かの認定酒を携えての参加となりました。
私は、今回販売する蔵元の代表として声をかけていただいたと言うわけです。

で、今回販売したお酒は…。

木曽路 特別純米酒
十五代九郎右衛門 純米吟醸
喜久水 猿庫の泉
大信州 純米吟醸
大雪渓 純米吟醸
天領誉 特別純米酒


2日間、大盛況であり、各商品24本ずつの持参でありましたが、
全て完売することができましたっパチパチパチ

物産展にはよく参加をしますが、
実は自社銘柄だけでの参加よりも、何点かの銘柄と一緒に参加する方が、
私自身が売りやすいのです。

なぜかというと、蔵元によってお酒の個性は様々で、お客様の嗜好も様々。
うちの蔵のお酒の中だけでも、様々な特徴のあるお酒が揃っていますが、
やっぱり同じ蔵元で造ったお酒はどこかその蔵の個性が出るのです。

だからこそ、お客様の嗜好に合わせて、タイプの違う蔵元のお酒が何点かあると、
実際に試飲していただき、比較して、
より自分の好みのお酒を選んでいただけるのですね

たくさんの方とお話でき、2日間終わってみるとぐったりではありますが、
本当に楽しい時間を過ごすことができます。

今回、わざわざお時間を作って駆けつけてくださった皆さん、
本当にありがとうございました



やっぱり春、影が濃いですね


◇◇◇東京が暖かかっただけに、木曽の寒さが身にしみます◇◇◇
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出没予告♪

2008.03.21 14:17|naoko@kisoji
さて、今春第一弾イベント参加のお知らせです

==============================================================
NHKふるさとの食 にっぽんの食

3月22日(土)23日(日)
10:00~16:00
NHK放送センター 代々木公園並木通り


詳しくは→全国フェスティバルHPへ

==============================================================

長野県の原産地呼称認定の日本酒やワインを試飲即売します!!!
私はもちろん、木曽路と十五代九郎右衛門のお酒を携えて

お近くでお時間のある方は、ぜひ足を運んでくださいね♪


◇◇◇人気blogランキング参加中です◇◇◇
◇◇◇またまた2ページ目に落ちちゃいました(T_T)ゴメンナサイ◇◇◇


春ですネェ♪

2008.03.20 21:56|naoko@kisoji
本日はお彼岸の中日。

夕食はてんぷらです。



これ、うちの庭で獲れたふきのとう。

春の味ですね~!!!
このふきのとうや、たらの芽、ウドなどの少し灰汁のある味わいは、
春の訪れを肌で感じさせてくれる旬の味覚です。

春の味覚の渋さには、新酒の荒っぽさがよく合いますね。


『暑さ寒さも彼岸まで』とはよく言ったもので、
自然と言うものは刻一刻と時を刻み、
しっかりと季節の移ろいを感じさせてくれるのですね。

酒造りをしていると、嫌でも季節を感じながら過ごさなくてはなりませんが。
毎日の気温の変化に案外アタフタさせられます。
もうこの時期になると、醪たちも微妙に落ち着きが悪くなり、
少々暴れだしてきたような気がします。

蔵の中も少しずつ片づけが始まったりして、ちょっとそわそわしているので、
醪たちも『おいおい、もうすぐ終わるからって、気を抜くなよっ!!!』
なんて訴えかけているような感じでしょうか。

今日、たまたま来たお客様に蔵を案内してお話をしていたら、
『お酒って一年中造っているんじゃないんですね!!!』と言われました。
まだまだ、そんなイメージがあるんです。

そろそろ試飲即売やお酒の会などのイベントも始まってくるので、
これからは、造ったお酒をいかに楽しんでいただけるか、
造り手の立場としてたくさんの方にお会いできるのが楽しみです♪


◇◇◇まだ純米酒の醪が4本も残っています◇◇◇
◇◇◇暖かすぎてうまくいくのでしょうか…不安です◇◇◇
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泣かしてくれるぜ、子どもたちよ。

2008.03.12 21:42|naoko@kisoji
小学生の蔵見学シリーズ最終章とでもいいましょうか。



実は、先日ヨネシロの酒の瓶詰に子どもたちが来た次の日、
地元のお世話になった方々への感謝の気持ちを込めて…
と言うことで、6年生が謝恩会を開き、
なんとまぁ私まで招待していただいたのです

すっごく行きたくって、もちろん行くつもりにしていたのですが、
ど~しても私の手が必要な吟醸の袋しぼりの日に重なってしまい…。

結局子どもたちには申し訳なかったのですが、
謝恩会は欠席させていただいたのです。


で、本日。


普通に蔵で仕事をしていると、
6年生の女の子4人が蔵にやってきたではないですか

昨日来られなかったので、お手紙を持ってきました…と。
手紙と言うから、はがきや封筒を想像したのですが、
ご覧の通り立派な額に入った手作りのお手紙をいただきました。



4人とも、なんだか照れながらも、
『色々とありがとうございました。』なんて。

嬉しくって嬉しくって、ホント涙が出そうでした。
色々無理して教えようとしなくても、
素の自分で素の湯川酒造を見てもらえた事で、
きちんと私たちのものづくりへの愛情が伝わったんだな~と感じました。

きっと、昨日の謝恩会でひとりひとり招待した方へ
このお手紙を書いていたのでしょう。

そして謝恩会の場で皆さんへ手渡したのでしょう。

私のために書いてくれた沙歩ちゃんには欠席しちゃって
ちょっと悪いことしちゃったな~と反省。

でも、本当に嬉しい贈り物でした。

ありがとう。


◇◇◇小学校の教室やランチルーム◇◇◇
◇◇◇私たちの頃から変わっていないのかな~◇◇◇
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小学生の蔵見学part2

2008.03.10 23:03|naoko@kisoji
ヨネシロで仕込んだお酒も無事しぼり、
今日はそのお酒の瓶詰をするために、
またまた蔵の中は子どもたちのパワーで溢れかえりました

前回仕込作業を見学しに来た時にラベルの用紙を渡してあったのですが、
それぞれが二十歳の自分へのメッセージや
小学校の想い出をラベルにしたため、うきうきしながらやってきました

一人一本、自分自身でお酒を瓶に詰めることで、
よりお酒が身近になり、愛着が湧いてくれるのではないかな~なんて。

当然、飲めはしませんが、
新酒の香りは飲まずとも解るはず。

今日、瓶詰をしながら接した日本酒と言うものを、
頭の片隅に描きながら大人になって欲しいな~と願います。

と言うより、あわよくば日本酒と言うものを覚えていてもらえればいいのであって、
本当に彼ら彼女らに伝えたかったのは、
ものづくり
の素晴らしさと言う事なのです。

昨今、何でも手に入る時代になり、
特に意識していなければ、今手にしているものが
どこで、誰が、どのように、作っているのか

解り得ないものがあまりにも多すぎると思うのです。

お米は袋詰めされたものをスーパーで買い、
野菜だって国産外国産が並んで売っており、
魚だって切り身になっていて、
お酒も大手のものと地酒とが並んで売っている。
加工食品ともなれば、尚更何がなんだかわからない。

昔の商店街の様に、
魚屋さんがあり、お米屋さんがあり、お肉屋さんがあり、
お酒屋さんがあり、それぞれが量り売りや切り売りをしていたり。
人が物を作り、人が物を売っていた。人と人との繋がりがそこにはあった。
それがものづくりであり商売の基本だと感じます。

そんな頃に比べて、現在では自分が手にしているものの本質が
ちっとも解らなくなっているのでしょう。

今でこそ、様々な偽装問題などが取りざたされ、
やれ国産だ、やれ生産者の顔だ、何て言う様になってきていますが、
じゃぁ、それを買う人たちはどれほどその本質を知っているのか。
それを作っている人たちがどれ程苦労を重ねているのか、想いを込めているのか、
私だって、なかなか解りえないことがたくさんあるのです。

例えばお米にしたって、有機栽培がいい!!!なんて容易く言いますが、
本当に化学肥料を使わず、除草剤も使わずにお米を育てたら、
通常籾で10俵獲れる田んぼで3俵程度しか獲れないのです。
しかも、夏中付きっ切りで田んぼの草取りをしなくてはならない。

取っても取ってもまた生えてくる雑草を永遠取っていなくてはならないのだそうです。

普通以上に手間をかけ、苦労をしても、普通の半分も収量がない。
それって、きっと生活にならないのですよね。

でもでも、消費者の方々はそっちの方がいいと当然思うわけです。


すっごく話はずれてしまいましたが、
要は子どもたちが一番感受性の豊かな時期に、
米作りや酒造りに触れてもらえたと言うことが、
この上なく素晴らしいことだな~と。

色々な方の協力があったからこそ、実現できたのです。
ありがとうございます。

彼らが何を感じて帰ってくれたのかは解りませんが、
自分の生まれ育った村で、たくさんのものづくりが行われ、
そしてそれを身近に体験できたということは、
きっと彼らの将来に何か役立ってくれるのではないかなって感じています。

例えばスーパーでお米を見た時、
『あ~あの時あのおじさんは真っ黒に日焼けして田んぼで仕事していたなぁ。』とか、
例えば酒屋さんで一升瓶が並んでいるのを見た時に、
『あのおねぇさんは、お酒は生きているって言ってたなぁ。』とか、
外からは見えないけれどそこに必ず存在する、
造り手の想いを感じ取ってもらえるようになって欲しいものですね。


さて、またまた言いたいことがまとまらず、
読みにくい文章になってしまいました。



これらは、今日来てくれた小学生たちの力作ラベルです。
なかなかの大作揃いで、正直驚いてしまいました
皆が詰めてくれたお酒は瓶燗をし、ラベルを貼ります。
ここからは私が責任を持って、大切にお預かりしたいと思います。



◇◇◇自分が小学生だった頃って、どんなだったかな!!!◇◇◇
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目が回る~(@_@;)

2008.03.08 17:20|naoko@kisoji
『誰かぁ!!!助けてぇ!!!!!』


とは、どうしても叫びたくなかったのです。


先日ご紹介した5,000Lの開放タンク。
本日、ワタクシに洗う役目が回ってきました。


と言うわけで、はりきってタンクの中へ。
高さは2メートルくらいなので、上から降りる分にはハシゴいらず。


えっさえっさと、ゴシゴシ洗い、洗浄機で水も流し、
よし、完了!!!



さてと、タンクから出るとするか…とふちに手をかけ、
よっっっっ!!!



ん???おかしいな…。

よっっっっ!!!



(-_-;)のぼれない…。出られない…。(-_-;)


仕方ない、恥を忍んで助けを呼ぼう、と思いきや。

蔵には私を含め二人しかおらず、携帯も不携帯。

しばし考え、さてもう一度。。。




ふちに飛び上がり、できるだけ身体を上げて、短い足を何とかふちにかけ、
転がり出るように何とか這い上がりました。。。とさ。


自分の腕力で自分の体重も持ち上がらないなんて。
情けないっす。。。



◇◇◇自分の力を過信すべからず◇◇◇
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吟醸しぼったど~!!!

2008.03.07 20:31|naoko@kisoji
さて、本日は朝からバタバタの一日デシタ。

本年度の吟醸、無事しぼりました~と言うわけです



今年は少々苦労した吟醸仕込みですが、
終わってみると、なかなかのいい酒になったじゃないですか

うちの蔵では、木造の槽(ふね)は老朽化により壊してしまったので、
現在では小さいタンクを槽代わりに仕立て、袋でしぼります。

4℃程度まで冷えた醪を手作業で袋に開け、
タンクの中に重ねていくわけですから、
作業する手は悴んでなかなかうまく動きません

でもまぁ、そうやって丁寧に作業することで、
いいお酒に繋がっていくのですね。



キラキラと琥珀色に輝くこのお酒を見るたび、
酒造りしていてよかった~ってしみじみ感じます。


さて、しぼってからはいざ、私の出番デス

斗瓶に囲った吟醸酒は、全国新酒鑑評会出品酒でもあり、
数日間静置して滓(おり)を下げます。
滓が下がったところで、一本一本丁寧に滓引きを行います。
滓引きと言っても、作業としては上澄み部分を一升瓶に移し取っていくのです。

これがまた、地道な作業で、細いチューブを使ってサイホンの原理で
上澄みを一升瓶に移していくのですが、
あまり太いチューブを使ってしまうと、お酒の移動が雑になってしまい、
綺麗に滓引きが出来ません。
と言うより、酒の味が雑になってしまうような気がしてダメなのです。

と言うわけで、予想以上に時間と労力がかかります。
冷蔵庫の中に篭って、全ての滓引きをひと通り完了するまでは、
丸一日掛かる作業です。

これを、最低2回。

その後、全てを瓶燗急冷します。


今から気が遠くなるような作業ではありますが、
これまた結構好きな仕事です。


良いのか悪いのか、全国の鑑評会入賞には縁遠い今日この頃ですが、
(鑑評会について感じることについては、また後日書きたいと思います。)
こうしてお酒を大切に扱うと言うことは、
出品するしないに関わらず、
酒を造る者としての精神鍛錬のひとつかな~と感じたりもしますね。


◇◇◇もしや、今年は花粉症元年?!◇◇◇
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