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初呑み切り!

2009.08.10 22:04|naoko@kisoji
いっぱい書きたいことはあるのですが…。
はい、ひとつづつupしていきますね!!!

8月5日は毎年恒例の【初呑み切り】がありました。




タンクに貯蔵したお酒の熟度や火落の有無を確認する為、
7月下旬から8月上旬くらいに全てのタンクの呑み切りを行い、
貯蔵状態のチェックを行います。

昔は各蔵ごとに自社で行っていたものだと思うのですが、
今、木曽の酒造協会では5醸持ち寄りで初呑み切りを行います。

国税局の鑑定官の先生と、県の先生にお越しいただき、
客観的な評価も頂きます。

今後、秋から冬に掛けてお酒を出荷していくに当り、
このタイミングで酒質のチェックを行うコトで、
どのタンクから払い出していくかとか、飲み頃はいつかなとか、
色々と考えて利き酒することになります。

うちの蔵ではまだまだタンク貯蔵がメイン。
タンク貯蔵のメリットは、そのタンクが満タンにさえなっていれば、
空気に触れることもなく、母体が大きいので、劣化も少なく済むと思います。

ただし、タンクのある空間の気温がそのままお酒の貯蔵温度になってしまう為、
(冷却水をタンクの周りに回して気温マイナス5℃といったところでしょうか。)
あまり気温の高い貯酒スペースにあるタンクのお酒は、
どうしても香りが先行して熟してきてしまう気がします。

冷蔵蔵ではないので、夏場の温度は蔵内でも18℃くらいまであがってしまいます。
ましてや、屋外タンクなどでは23℃くらいまで。

いつも書いているのですが、
お酒造りはしぼるまでが50%、貯蔵から出荷が50%なのです。
この貯蔵での失敗は、本当に取り返しがつかないんですよね。

でも、一本一本のタンクに愛情持って接することで、
同じ18℃の温度帯にあるタンクのお酒でも、
全然違った味わいになると思います。

どうせ18℃まで上がっちゃうんだから仕方ないじゃん。
なんて思っていると、お酒もそっぽ向いちゃう気がします。
下手したら火落ちしちゃったりするかもです。

やっぱり周辺のお掃除もこまめにして、
毎日貯酒蔵を通るたびに今どんな状態かな~って、
思いを馳せてあげるだけでも違うんだと思います。

今年の初呑み切りの全体的な印象は、
『香り先行型の熟成』です。
アル添酒も特定名称酒も、その傾向が見られたと思います。

あと、『酸が浮く』でしょうか。

香り先行型の熟成は、貯蔵温度が高いと起こりうることだそうです。
酸が浮くのは、20BY麹作りを変えたのでそのせいかなと…。

アミノ酸があまり出過ぎるのが嫌だな~と思って、
アミノ酸が出にくいように製麹はしていたんですが、
それが功を奏しすぎたのでしょう。

日本酒度も酸度も通常のうちの作りのバランスと大きくは違わないのですが、
アミノ酸度が例年より低くなっていたのです。

新酒の頃はフレッシュさも重なってあまり酸が浮くようには感じていなかったのですが。
どうやらその傾向によって、酸が浮くように感じるのだそうです。

ただ、それは原酒の状態での味のバランスであって、
これがまた加水して火入すると、バランスは全然変わってくるんですね。

これがまた日本酒の素晴らしいところ。
加水調整もまた酒造りのひとつなのですね。



◇◇◇立秋も過ぎ、夏が来る前に秋になったような気温です◇◇◇
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