お酒造りには、たくさんの醸造資材や、包装資材が必要です。
ここ最近、「瓶燗急冷」の手法で火入れ殺菌を行うことが圧倒的に多くなり、
現在でも、タンクで貯蔵するお酒もありますが、
特定名称酒の多くが、酒質のことを考えて「瓶燗急冷」が選択されます。
醸造期後半の2月以降は様々な酒種で火入れ用のお酒がしぼられてきて、
火入れ地獄と化しているのが数年続いているのです。
ただでさえ狭く、そして春になって気温も徐々に上がってきている中、
火入れをしなくてはならない瓶詰のお酒たちが、山積みされ、
火入れ渋滞を起こしている状況です。
気持ちばかりは焦りますが、もろもろの課題がそこには存在します。
「瓶燗急冷」をする為には、しぼったお酒を瓶詰することが最初に行われます。
すなわち、2月以降は瓶詰もしぼられたお酒を即時瓶詰したい為、
瓶詰場もフル稼働になるのです。
そこで問題になって来るのが、瓶とか王冠の資材の仕入れ。
タンク貯蔵が多かった頃は、瓶詰在庫がなくなりそうになったら、
その都度タンクから払い出して瓶詰すればよかったのですが、
瓶貯蔵になると言うことは、1年間で売る分のお酒を先に瓶詰しなくてはならないのです。
と言うことは、瓶とか王冠も1年分先に仕入れている様な物。
資材仕入れ代も2月から4月頃に集中してしまうのです。
そしてそして、とっても頭を抱えることが、
それぞれのメーカーさんの資材の在庫。。。
出来るだけ早く資材発注してはいるのですが、
どこの蔵でも同じ傾向になってきていてこの時期に発注が集中するそうで、
メーカーさんに瓶とか王冠の在庫がなくなってしまう。。。と言う、
そんな事態が発生しているのです。
しぼったお酒は極力早く瓶詰めして火入れ殺菌をしてあげた方が、
しぼった時の味わいのバランスや香りを維持した状態で火入れ熟成をしてくれます。
資材がないから瓶詰できない!火入れできない!なんてことが、
起こりがちになってしまっているので、
資材の発注はできるだけ前倒しでしかも多いめに行っている様な状況です。
資材を発注すると言うことは、当然支払いも発生します。
諸々、計画的に進めなくては辛いところですね。
間もなく26BYのお酒造りもひと段落しますが、
少しすれば27BYの醸造計画に取り掛からなくてはなりません。
醸造計画ってすごく複雑で、
いつどんなお酒が必要か、どういう順番で仕込むかの大枠を決めて、
そこから原料米の仕入れや日次の動きまで落とし込んでいきます。
タンクの回転率やしぼるタイミングなんかも計算していくので、
かなり大変な作業なのです。
タンク貯蔵が多かった時は、しぼるまでの計画でよかったですが、
瓶貯蔵が増えて来た昨今では、
瓶詰場まで連動して計画していかなくてはなりません。
醸造計画がより複雑になってきていて大変な作業ではありますが、
7月頃にたてた計画が、甑倒しまで大きな変更なくコンプリートできる年は、
何となく気持ちがいいものです。
今年も小さな変更はありましたが、概ね計画通り。
あと少し、がんばります。