10月4日から始まったお酒造りですが、
本日、いよいよ醪1号の添仕込みとなりました。
ここから68本の醪が日々仕込まれていきます。
「お酒造りは毎日変わらないことを同じように繰り返す日々です。
ただ、その中で米も違えば気候も違う、醪によって目指すべき酒質も違うので、
何をどうすべきかを立体的に考えて作業を変えていかなくてはならない。」
ですが、行う作業は日々同じ。
米を洗う、米を蒸かす、麹を作る、仕込をする、
上槽も粕もみんな作業としては同じことを行うわけです。
毎日だいたい同じ時間に同じ作業を行って、
違うのはその日に扱う米の種類、その日に仕込む醪の種類、
その日に引き込む麹の種類、、、なのです。
お酒造りは、毎日をルーティン化してこなしていくことが可能なのです。
仮に、普通酒だけを68本仕込めばいいのであれば、
むしろ何も考えずにベストな方法を毎日繰り返すことが、
安定した酒質に向けての近道になると思います。
ですが、今は酒種だけを数えても相当な種類があり、
パズルのように組み合わさっている醸造計画の中では、
本当に意識をしっかり持って取り組まないと、
その日に何をやっているのか、解らなくなってしまいます。
あるいは、手を抜こうと思えばいくらでもできる。
作業さえこなせていれば、仕事をした気になれる。
お酒造りって、そんな仕事でもあるんです。
いかに仕事に対して意識を高く持つか、
社員であろうが経営者であろうが、目指すものがしっかり見えていて、
その高みに向かってしっかり意識を持って取り組めるか。
こんな小さな会社ですが、
立体的思考は本当に必要とされることだなと感じ、
私自身も出来ている様でできていないかもしれない。
物事を多面的に捉えることの出来る、立体的思考。
そして、酒造りだけでなく、瓶詰や出荷管理、営業、
すべてを立体的に交差させて考えることの出来る、立体的思考。
社員皆が立体的思考を持ち合わせ、
それぞれの立場から有効な方法を導き出し、
そして融合していくことで新しい可能性が見えてくる。
なんて、理想的な会社なんでしょう!
当社には営業専任の社員、詰場専任の社員がいますが、
今のところ、全体の流れは私なり杜氏である程度決めて、
社員には現場レベルで調整をしてもらう方法をとっています。
私が出した指示に対して、現場レベルから修正希望があったり、
担当によって同じ作業でも捉え方が違うので、
それらをうまく融合して、日々がうまく回る様にしたいものです。
以前の私は結構命令口調が多く、
どちらかと言えば「独裁」的なリーダーだったと思います。
会社がうまく回る様になるまで、
経営者の想いが社員に伝わる様になるまでは
致し方ない部分もあったのも事実ではありますが。
ここ最近では、仕事に対する気持ち的余裕が出てきたのと、
経営者の想いが社員にも伝わって理解をしてもらえている
(と私は感じることができるようになった)ので、
安心して「任せる」と言うことができる様になってきました。
27BYも長い長いお酒造りになりますが、
ひとりひとりが立体的に日々を捉えて、
最高のポテンシャルを発揮してもらいたい!!
しょっぱなから風邪っぴきで始まった社長と杜氏。
どうやら人の多い場所(イベント会場)などでの
免疫力が随分と低下している様。
ふたりともイベントに出て風邪をもらってきたみたいです。
先々が少し思いやられますが、
人に移さない様、しっかり治して取り組みます!