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観光地域づくり その2

2017.07.14 22:37|naoko@kisoji
第2回目の会議に出て、
「持続可能な地域づくり」ということが
一番のキーワードかなと感じたんだけれど。

補助金があるうちは事業が継続するけど、無くなれば資金不足で終了
一時期の流行で箱もの作ったけれど、廃れたから放置
地域産業に対しての担い手が不足して継続不可能

などなど、瞬間風速的に「何かやっている気になる」ことって
たくさんたくさんあるけれど、
じゃあ、木曽に骨を埋める覚悟をした私たち地域住人にとっては、
一生をかける重大事項なのに、瞬間風速に振り回される訳にもいかない。

木曽で生まれ育った住人たちや
本気の覚悟で移住してくる人たちが、
活力をもって地域に存在し続けていかなくてはならないので、
そのために、「観光」という手段を活かしていく方法論を、
そしてその木曽となるビジョンを構築していく作業が、
今回委嘱されたプロジェクト委員の任務なんだろう。

こういう観光関連の会議って、
様々な単位でそこかしこで行われていて、
中には補助金ありきのものも多数あるし、
ただ、報告書レベルで意見がまとまれば満足な物も多数あって、
実現しうる会議ってすごく少ない気がするのです。

「一人称」で考えなさい。
と言うのが、今回のプロジェクト会議のひとつの軸になっていて、
2年間のプロジェクト会議だけれど、
月1回の会議を2年間繰り返したところで大きな事業が立ち上がったり、
すごく画期的な木曽の未来を見いだせたりするかはわからないけれど、
あらゆる立場で、木曽で生き抜こうとしている人々が、
真剣に考えるということに意味があるのだと感じます。

日本の人口減少が心配されている以上に、
木曽の10年後20年後の人口は激減してしまい、
地域力がどこまで落ちてしまうのか、
産業があっても担い手がいないと言う、
「そもそも」な課題にぶつかるのも、
他の地域よりも早い段階で訪れそうだし、
不安もたくさんあるけれど、だからこそ
自社があるべき姿や自社がやるべきことが見えてくるのです。

=====================================
脈々と。「造り手の誇り」を持ち、  
木曽路からつながる未来を醸し続ける。

株式会社湯川酒造店は、
○歴史・気候風土に感謝し、活力をつなぎます。
○時流をよみ、妥協しない酒を醸し続けます。
○人・社会・地域がつながる時間を演出します。
=====================================

要するに、
「地域の活力であり続けること。」

そのためには、商売が好転していかなくてはならない。
ブランド力を高めていかなくてはならない。

ブランド力を高めるための、高品質な酒造りや、
明確なコンセプトや販売戦略は当たり前に重要。

伝統製法の生酛づくりの為の木桶の半切れも
地元の桶職人さんに木曽の木材を使用して作って頂いている。

展示会やイベントでお酒を冷やすボトルクーラーも、
これまた別の桶職人さんに作って頂いている。
もちろん木曽の木材を使用して。

お酒に合うおつまみを紹介する時は、
当たり前だけれど、木曽の食材を紹介する。

自社のお酒が広い販路へ出荷されることで、
「木曽」と言う地域を知って頂くメディアの役割を果たし、
湯川の酒がきっかけで、木曽を知り、訪れて頂く。

そうであれば、都市部や他地域での販売も、
海外での販売も、大きな理由が生まれる。
ただ、売上げを確保するために販路を広げる訳でなくて。

はたまた、蔵元直売は極力行わずに、
観光で訪れた、お酒を買いに木曽を訪れた方には、
出来るだけ地域の酒販店さんや道の駅を紹介する。
だからこそ、土日祝日は小売販売を行わない。
蔵元なのに買えない商品もたくさんある。

おこがましいことかもしれないけれど、
自社の日本酒を通して地域を知って頂く、
自社の日本酒が地域ブランドになり、
自社の日本酒があることで潤う地域にしていくことが、
もしかしたら、私たちの力で少しは叶えることが出来るのかも。

すっごく壮大なことだけれど、
酒蔵の役割って、そういうところだよなって。
だからこそ、自社を次代に必ず繋げなくてはならないし、
自社の活力を維持し続けなくてはならない。

自社が「観光」の受け皿にはなれないからこそ、
「観光」のきっかけ作りとしての役割を果たそうと、強く思う。


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観光地域づくり その1

2017.07.13 22:26|naoko@kisoji
「木曽観光地域づくり戦略プロジェクト会議」の
委員に委嘱されて、本日2回目の会議に出席してきました。

今回の委員を受けるにあたって、
どことなく、自分には「観光」って言葉が
向いていないとずっと思っていたのです。

だって、「観光」って、
ただ「とある地域」を訪れ、
非日常を味わうことができ、
なんとなく満足度が高い時間を過ごせれば、
ただそれだけで満足できるものだと思っていたから。

歴史とか文化とか、
「とある地域」を訪れるための理由は
観光客にとって様々だと思うのだけれど、
では、観光地化した地域が、
観光客によってどれだけ潤っているのか、
と考えてみると、
一時の潤いはあるかもしれないけれど、
それって長くは続かないものな気がしていたわけです。

人口減少が著しい木曽の様な田舎では、
私たちの様な地場産業がいかに活力をもって、
そこに存在し続けるかが、
地域発展の大きな要素だと思っているのですが、
そこに「観光」がどう活かされるのかとか、
そんなことって切り離されていて、
私の中であまり関連づけられてこなかったんです。


そんなわけで、
まずは1回目の会議でお勉強した内容を私なりにまとめてみます。


「観光」はあくまで手段である。

地域の発展のためには、
地元住民がその魅力に気づいていない地域資源をあらためて見直し、
その裏付けとなる歴史や文化を理解し、
その地域に人が訪れる「理由」を醸成していくこと。

地域の住民が関わり、
地域とお客様とのニーズが一致し、
それにより地域にお金が落ち、
雇用が生まれ、IUターンを増やし、
地域の活力を維持していくこと。

「持続可能な地域」が作られていくこと。


う〜ん、
私の中で、地域活性って決して観光依存じゃダメだって、
どちらかと言えばそう考えている方が強かったから、
酒蔵だって、地元の人が飲んでくれているけれど、
旅館や民宿でも飲んでくれているけれど、
そのマーケットはどんどん小さくなってきているから、
大きなマーケットである都市部でも売るし、輸出もする。

でも、それって、私がいつも感じている、
「日本で売れないから海外で売る」って言うのは、
ただの逃げで、本質から外れている。
って言うのと、すっごく似ている感情だなって。

衛生面とか労力とか考えれば、
蔵に人を呼んで酒蔵見学とか蔵開きとか、
積極的にしたいとは思わないし、
むしろ酒蔵とは敷居の高い場所としておきたいし。

だから、「コト」を提供する酒蔵にはなれないけれど、
それってただ目の前でシャッターおろしているだけの、
何も考えないで楽しようとしているだけなのかも。

地元の良さなんてさ、
改めて考える様な物でもなくて、
あまりに日常にとけ込んでいて、
お金も時間もかけずに素晴らしい景色に出会えたり、
美味しい食材に出会えたり、
でもその引き換えにちょっとだけ生活が不便だったり。

みんな「いい場所ですね〜」って簡単に言うけど、
「じゃぁさ、住んでみなよ、一生ここで住めますか?」
って問いかけてみたかったりするわけで。

まぁ、第1回会議の話も
「なんだ、結局観光地化したいだけじゃん」
って穿った見方すればそれまでなんだけれど、
きっと今まで聞いた観光に関する話と違うのは、
「観光」が手段だと言い切っていて、
その先に地域がどう潤うかが目的のひとつであって、
行政だけが考えたり、一部の脳みそで構築する物でなくて、
地域に住む住民を巻き込んで考えていくべきってことなんだろうか。

観光地域がブランド化されれば、
ちょっとやそっとのことで、ぶれることはないだろうし、
今私自身が自社の湯川家の歴史を振り返り始めている様に、
地域の歴史はなにがあっても変わらないし、
それを後世に伝聞していくためにも、
「観光」と言う手段を使って遺していくべきなのかもしれない。


と言う訳で、超長くなりそうなので、その2につづく。


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取材を受けて

2017.07.12 01:28|naoko@kisoji
某誌に取材をしていただきました。

自分たちの蔵の在り方とか、想いとか。
この先をどう見据えていくかとか。
ブランドのコンセプトとか、その戦略とか。
人をどう育てていくかとか。
地域性とか、そこでの蔵の存在価値とか。

とにかく杜氏さんとふたり、
たくさんお話をしました。

第三者に対してアウトプットすることで、
自分たちの考えを整理することができ、
そして第三者の手によって文章となり
それを客観的に読むことで、
また新たな気付きが得られたりする。

いつか取材していただきたいと思っていましたから、
とても嬉しかったのは当然のこと、
然るべきタイミングで取材に来ていただき、
「今」だからよかった。

今回の取材は読者へ伝えることはもとより、
自分たち自身へ、今の自分たちを
伝えるものだと勝手に感じたのです。

常に目まぐるしい変化の中にいる私たちですが、
「今」は短期的にみればひとつの到達点に
辿り着いているのかもしれなくて、
ちょっと呼吸を整えることができる、
いいタイミングなのかなと思います。

正直、近ごろの日本酒業界は流れが早すぎて、
多くの蔵がその急流の中で必死にもがき続けています。

どこかで息が続かなくなって脱落するのか。
はたまた支流に逃れて流れに身を任せるのか。
流れから離れてどこかの大地に上陸し、
そこから我が道を歩み始めるのか。

急流の行き着く先は大海なのか。

目下の流れに負けない様にと、もがき続けているけれど、
そろそろ、目指す大海の様子を捉えながら、
急流を進み続けるべきか、大地の道を歩むべきか、
そんな選択もしていかなくてはなりません。

杜氏さんとふたり、
直感を大切にして、深く悩まず、
素早い決断で0か100かの選択を繰り返す。

それが私たちのスタイルだし、
その中で素晴らしいご縁を頂き、
急流に打ちのめされない力を
与えてもらっているのです。

「変化こそ伝統」
そこに気づけたことで、
私たちがやりたいことを素直に表現でき、
何かに縛られることなく自由で居られる。

結局のところ、
常にもがき続けているのが好きなんだけど。
息切れしない体力はつけていかなくては。


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