滋賀県へ
2009.06.10 21:18|naoko@kisoji|
昨日今日、若葉会研修旅行で滋賀県へ行ってきました。
今回の旅程は、
・『不老泉』醸造元の上原酒造さん
・『道灌』醸造元の太田酒造さん
・滋賀県酒造組合の皆さんとの意見交換会
・『たねや』さん見学
でした。
『不老泉』さんは酵母無添加の山廃酒母仕込が中心の造りで、
その他木桶仕込みや日本では数少ない木槽天秤しぼりのお蔵です。
当然、うちでは使用したこともないような道具の数々が。
山廃酒母とは、自然中の乳酸菌や硝酸還元菌、野生酵母の力を借りて、
酒母の栄養や成分が整ったところに、
純粋な培養酵母を大量に添加して育てる酒母の種類です。
速醸酒母が約14日間で使用できる状態に完成するのに対し、
山廃酒母ではその日数が約30日。
しかも、自然中の微生物の力を借りると言うことは、
その分腐造の可能性も高まるわけなのです。
そんな中、不老泉さんではさらに培養酵母すら添加しない。
ってことは、お酒の発酵や味わいに大きく関わる酵母でさえも、
自然中から自然に酒母の中に育つのを待つわけなのです。
まさに、蔵付酵母の力を信じて、
彼らがいかに純粋に育ってくれるかってことなんですが。
とにかくとにかく、大変なことなんですよね。
尋常じゃない緊張感だと思います。
うちでは酵母添加の山廃酒母をたった1本仕込むだけでも、
ひぃひぃ言っているのに…。
そんな過酷な環境で育った酵母たちが醸す酒ですから、
山廃酒母を使用したお酒は、非常に力強いものになるんですね。
酵母自信もとっても強く育ってくれるからなのです。
それに加え、全量を木槽天秤しぼりで上槽しているんだそうで…。
今では片手で数えられるくらいのお蔵でしかやっていない、木槽天秤しぼり。
これまた、かなり手間のかかる方法ですが、
不老泉さんでは全量を木槽天秤しぼりで上槽しているそうです。
更には、木桶仕込まで。
木桶は琺瑯のタンクと違って、洗いにもかなりの手間が掛かります。
木の目地があるので、その中に醪が残ってしまってカビては大変。
ササラという道具を使って、木の目に沿って丁寧に洗わなければならないんですね。
とにかくとにかく、手間の掛かることばかりをやっているお蔵でした。
その分、お酒の味わいも濃厚。
しっかり2年や3年熟成させて味を整え、
どっしりとした飲み応えのお酒に仕上げています。
20BYのお酒も利き酒させていただきましたが、
やはり、せめてあと半年くらいは熟成させたいなって感じ。
でも、それだけお酒に力があるってことなのでしょう。
ご主人は、
『どんなに付加価値のあることや手間を掛けて造っても、
最終的にお客様がおいしいと飲んで下さらないことには意味がない。』
とおっしゃっていました。
本当にそれに尽きますよね。
どんなことでも、当然おいしいお酒の為に行っているには変わりありませんが、
蔵の自己満足に終わってしまってはダメなんですよね。
私もつくづくそれは感じます。
どんだけお酒を造っても、
美味しいと飲んで下さるお客様がいなければ、
そのお酒は引き立たないし、意味がないものに。
自己満足に終わらないように、
でも日々研鑽していけるように、
お酒造りについてもっと考えていきたいものです。
さて、昨日の夜は滋賀県の酒造組合の皆さんとの意見交換会。
お互いのお酒を持寄り、まずは利き酒を行い、その後食事をしながらの懇親会。
県が違えば、酒造りの仕方も大きく違います。
気候の違いが一番大きいのでしょうか。
結局はおいしいお酒を造る為の悩みであることは変わりませんが、
私たちが寒すぎて困っている反面、
滋賀県の皆さんは暖かすぎて困っていたり。
だからこそ、地酒なんですよね。
県の現状や酒造りについて等、
様々な情報交換ができたので、有意義な時間を過ごせたと思います。
現在の日本酒離れやアルコール離れ。
この現状を打開する為には、皆で力を出し合って、
大きな波を作らなくちゃなんですよね。
滋賀県の皆さんも、非常に若くて活気がありました。
長野県も負けてはいられないですね。
頑張っている方々から学びながら切磋琢磨して、
その中でいいアイデアや技術で、
日本酒の普及に取り組んでいきたいものです。
◇◇◇(((((人気blogランキング)))))参加中です!!!◇◇◇
今回の旅程は、
・『不老泉』醸造元の上原酒造さん
・『道灌』醸造元の太田酒造さん
・滋賀県酒造組合の皆さんとの意見交換会
・『たねや』さん見学
でした。
『不老泉』さんは酵母無添加の山廃酒母仕込が中心の造りで、
その他木桶仕込みや日本では数少ない木槽天秤しぼりのお蔵です。
当然、うちでは使用したこともないような道具の数々が。
山廃酒母とは、自然中の乳酸菌や硝酸還元菌、野生酵母の力を借りて、
酒母の栄養や成分が整ったところに、
純粋な培養酵母を大量に添加して育てる酒母の種類です。
速醸酒母が約14日間で使用できる状態に完成するのに対し、
山廃酒母ではその日数が約30日。
しかも、自然中の微生物の力を借りると言うことは、
その分腐造の可能性も高まるわけなのです。
そんな中、不老泉さんではさらに培養酵母すら添加しない。
ってことは、お酒の発酵や味わいに大きく関わる酵母でさえも、
自然中から自然に酒母の中に育つのを待つわけなのです。
まさに、蔵付酵母の力を信じて、
彼らがいかに純粋に育ってくれるかってことなんですが。
とにかくとにかく、大変なことなんですよね。
尋常じゃない緊張感だと思います。
うちでは酵母添加の山廃酒母をたった1本仕込むだけでも、
ひぃひぃ言っているのに…。
そんな過酷な環境で育った酵母たちが醸す酒ですから、
山廃酒母を使用したお酒は、非常に力強いものになるんですね。
酵母自信もとっても強く育ってくれるからなのです。
それに加え、全量を木槽天秤しぼりで上槽しているんだそうで…。
今では片手で数えられるくらいのお蔵でしかやっていない、木槽天秤しぼり。
これまた、かなり手間のかかる方法ですが、
不老泉さんでは全量を木槽天秤しぼりで上槽しているそうです。
更には、木桶仕込まで。
木桶は琺瑯のタンクと違って、洗いにもかなりの手間が掛かります。
木の目地があるので、その中に醪が残ってしまってカビては大変。
ササラという道具を使って、木の目に沿って丁寧に洗わなければならないんですね。
とにかくとにかく、手間の掛かることばかりをやっているお蔵でした。
その分、お酒の味わいも濃厚。
しっかり2年や3年熟成させて味を整え、
どっしりとした飲み応えのお酒に仕上げています。
20BYのお酒も利き酒させていただきましたが、
やはり、せめてあと半年くらいは熟成させたいなって感じ。
でも、それだけお酒に力があるってことなのでしょう。
ご主人は、
『どんなに付加価値のあることや手間を掛けて造っても、
最終的にお客様がおいしいと飲んで下さらないことには意味がない。』
とおっしゃっていました。
本当にそれに尽きますよね。
どんなことでも、当然おいしいお酒の為に行っているには変わりありませんが、
蔵の自己満足に終わってしまってはダメなんですよね。
私もつくづくそれは感じます。
どんだけお酒を造っても、
美味しいと飲んで下さるお客様がいなければ、
そのお酒は引き立たないし、意味がないものに。
自己満足に終わらないように、
でも日々研鑽していけるように、
お酒造りについてもっと考えていきたいものです。
さて、昨日の夜は滋賀県の酒造組合の皆さんとの意見交換会。
お互いのお酒を持寄り、まずは利き酒を行い、その後食事をしながらの懇親会。
県が違えば、酒造りの仕方も大きく違います。
気候の違いが一番大きいのでしょうか。
結局はおいしいお酒を造る為の悩みであることは変わりませんが、
私たちが寒すぎて困っている反面、
滋賀県の皆さんは暖かすぎて困っていたり。
だからこそ、地酒なんですよね。
県の現状や酒造りについて等、
様々な情報交換ができたので、有意義な時間を過ごせたと思います。
現在の日本酒離れやアルコール離れ。
この現状を打開する為には、皆で力を出し合って、
大きな波を作らなくちゃなんですよね。
滋賀県の皆さんも、非常に若くて活気がありました。
長野県も負けてはいられないですね。
頑張っている方々から学びながら切磋琢磨して、
その中でいいアイデアや技術で、
日本酒の普及に取り組んでいきたいものです。
◇◇◇(((((人気blogランキング)))))参加中です!!!◇◇◇