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決して忘れない、火災のこと。

2022.02.28 01:24|naoko@kisoji
DSC_1323.jpg

2013年2月25日深夜の火災。
湯川酒造店の製造場から出火し、
焼失面積は20㎡程度だったものの、
当然酒造りは中断せざるを得ませんでした。

2011年7月に社長就任、2週間後に先代が亡くなり、
2012年2月に結婚、2012年10月の造りから、
夫が杜氏となり、不安とともに楽しさもある、
初めての体制による酒造りの最中の出来事でした。

深夜にも関わらず地元消防団の皆さんが、
素早く駆けつけて消火してくれたお陰で、
焼失面積はわずかで済んだものの、
地元の皆さんに多大な迷惑をかけてしまいました。

火災現場は2Fでしたが、
建物内は煙が充満して入ることもできず、
「お父さんごめんなさい」と繰り返し、
「誰か、早く消して~お願い~」と
泣き叫びながら、半パニックになっていた
自分の姿を鮮明に覚えています。

朝になり、無残な姿となった酒蔵に、
ただただ茫然とするしかなく、
冷静になってみると、涙も出ませんでした。

色々辛かったけれど、
煙が入り込んで煤まみれの麹室に、
土足で踏み込まざるを得ず、
製麹途中だった麹を廃棄する時は、
本当に辛かった。

冷え切った麹室で、
床よせしたまま数日置かれた麹は、
普通に温度が高い状態が保たれて、
ふかふかに真っ白な麹菌が繁殖していたんですね。

一通り火災の記録写真を見返してみましたが、
胸が痛くなり、心臓もバクバクするし、
臭いや音、あらゆる記憶がフラッシュバックしてきます。

その後、様々な方のご協力により、
翌年は9月から酒造りをスタートすることができ、
感謝してもしきれない、助けを頂きました。

この火災の経験は、本当に試練ではありましたが、
これにより得た教訓は、私の経営の中の柱となり、
この火災があったからこそ今があるのは間違いのない事実です。

■特にハード面のリスク予測を常に行う。
■必要な修繕は躊躇せずに行う。
■対処対策を後回しにしない。
■今までこうだったから、という固定概念を捨て去る。
■法令遵守(当たり前だけど)
■物理的、人的負荷の解消。
■メンテナンスはプロに任せる。

などなど。
すべて当たり前のことだけれど、
目の前の売上のためにどうすべきか、
そんなことを考えてばかりで、
(甘酒の売上がめちゃくちゃ伸びていた)
古い設備をフル回転させて無理が生じたんですね。

社長になったばかりの私にとっては、
そこに見えていたはずの数々のリスクに
意識が向いていなかったのです。

2月の下旬になると、
必ず火災の話を社員にしています。
火災だけでなく事故だってあってはならないこと。

安全な環境が、まず第一。
その上で、いい酒づくりが成り立つのです。

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